相続税法の改正や株価・地価の回復を受け、主として「相続税の軽減(いわゆる節税)」に着目した相続対策が盛んに行われています。
もちろん、それ自体は問題があるわけではありませんがそれぞれの対策固有の問題やリスク、あるいは過度に節税に傾倒した場合の弊害といった側面も考慮しておく必要があります。
【事例3】養子縁組による節税
相続税の負担軽減のために、複数の孫と養子縁組を行った
《養子による相続税の負担軽減効果》
①基礎控除額の増額(600万円/人)
②死亡保険金等の非課税枠の増額(500万円/人)
③法定相続人が増加することによる累進税率低減の可能性
④相続税の課税回数低減(孫養子の場合)
※法定相続人の数に参入できる養子の数は、実子がいない場合は2人、実子がいる場合は1人までに限定されています。(特別養子、配偶者の連子、代襲相続により法定相続人になった養子等は除く)
『リスク』
①養子と実子の相続における権利は全く同じであるため、遺産分割協議の利害関係者の増加による分割協議が難航する場合があります。
②生前に養親と養子との人間関係に問題が生じたとしても、養子縁組の解消は双方の合意事項(片方が同意しなければ裁判)であるため、縁組に解消は容易ではありません。
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